アイスホッケーは「氷上の格闘技」と呼ばれるほど激しく、スピーディーな展開が魅力の冬季スポーツです。初めて試合を観戦する際、選手たちが激しく入れ替わりながら動く姿を見て、誰がどのような役割を担っているのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
アイスホッケーのポジションや役割をわかりやすく理解することで、リンク上で繰り広げられる戦略的な駆け引きや、個々の選手の凄さがより鮮明に見えてきます。各ポジションには明確な任務があり、それらが複雑に絡み合うことで一つのチームとして機能しています。
この記事では、初心者の方でもすぐに覚えられるアイスホッケーの基本ポジションから、試合展開を左右する専門的な役割まで詳しくご紹介します。冬季スポーツ観戦の楽しみを広げるために、まずは各ポジションの特徴から学んでいきましょう。
アイスホッケーのポジションと役割の基本構成

アイスホッケーは、ゴールテンダー1名を含む合計6名の選手が同時に氷の上に乗ってプレーします。それぞれの持ち場には役割が決まっており、大きく分けると「フォワード」「ディフェンス」「ゴールテンダー」の3つのカテゴリーに分類されます。
アイスホッケーの基本人数構成(1チーム6名)
・フォワード(FW):3名(攻撃を中心に行う)
・ディフェンス(DF):2名(守備を中心に行う)
・ゴールテンダー(GK):1名(ゴールを守る)
フォワード(FW):攻撃の要となる3人
フォワードは、主に相手チームのゴール付近でプレーし、得点を奪うことを最大の目的とするポジションです。攻撃の最前線に位置するため、スピード感あふれるスケーティングや正確なシュート技術、そして相手の守備を崩すためのパスワークが求められます。
フォワードの3名は、中央を担う「センター」と、その両脇を固める「ライトウィング」「レフトウィング」に分かれています。以前は攻撃専門というイメージもありましたが、現代のアイスホッケーでは、自陣に戻って守備を助ける運動量も非常に重要視されています。
また、相手のディフェンスに対して激しくプレッシャーをかける「フォアチェック」もフォワードの重要な任務です。相手のミスを誘い、高い位置でパックを奪い取ることで、一気に得点チャンスを作り出します。花形ポジションでありながら、非常にハードな役割と言えます。
ディフェンス(DF):守備とビルドアップを担う2人
ディフェンスは、自陣のゴール前で相手フォワードの侵入を防ぎ、シュートを打たせないように守る役割を担います。通常はレフトディフェンスとライトディフェンスの2名でコンビを組み、左右のエリアをカバーしながら連携して守ります。
守備の際には、体の大きさを活かしたボディーチェックや、スティックを使って相手のパスコースを遮る技術が必要です。さらに、奪ったパックを素早くフォワードへつなげる「アウトレットパス」というビルドアップの能力も欠かせません。守備から攻撃への切り替えを支える重要なポジションです。
最近では、攻撃参加を積極的に行うディフェンスも増えています。ブルーライン(相手陣地の入り口付近)から強力なロングシュートを放ち、得点に絡むシーンも多く見られます。守りだけでなく、試合のテンポを作る司令塔のような役割も果たしているのです。
ゴールテンダー(GK):最後の砦としてゴールを守る
ゴールテンダー(ゴーリー)は、アイスホッケーの中で最も特殊なポジションです。重厚な専用の防具を身にまとい、時速150キロを超えることもある硬いパックからゴールを守り抜きます。彼らの活躍一つで試合の結果が決まると言っても過言ではありません。
ゴールテンダーには、瞬発力、柔軟性、そして何よりも強い精神力が求められます。試合中に何度もシュートを浴びせられますが、冷静にパックの軌道を見極め、全身を使ってセーブします。また、ゴール裏に回ってパックを処理し、味方にパスを出す「パックハンドリング」も重要なスキルです。
アイスホッケーでは、ゴールテンダーが一度も失点を許さずに試合を終えることを「完封(シャットアウト)」と呼び、最高の称賛を送ります。チームメイトからの信頼も厚く、まさに守備の象徴としてリンクの中央に君臨する特別な存在です。
ベンチ入り人数と交代のシステム
アイスホッケーの特徴として、試合中の選手交代が自由かつ頻繁に行われる点が挙げられます。1チームのベンチ入り人数は通常20名から22名程度で、そのうちプレーヤーは20名前後です。この人数が「セット(ライン)」と呼ばれる単位で入れ替わります。
1回の出場時間(シフト)は非常に短く、わずか45秒から1分程度です。氷の上では常に全力でダッシュし続けるため、スタミナの消耗が激しく、こまめに交代しなければ高いパフォーマンスを維持できません。審判の許可なく、プレー中であってもベンチのドアから選手が飛び出し、入れ替わることができます。
この頻繁な交代があるからこそ、アイスホッケーは常に高い強度でプレーが続けられます。観戦時には、ベンチ付近で選手たちが一斉に入れ替わる様子にも注目してみてください。交代のタイミングやスムーズさも、チームの規律や戦術の質を表す重要なポイントとなります。
フォワード(FW)の各ポジションが担う具体的な役割

フォワードの3名は、それぞれが独立した動きをするのではなく、お互いの位置を確認しながら三角形のような陣形を組んで動くのが基本です。ここでは、センターとウィングの具体的な役割の違いについて深掘りしていきます。
フォワードの役割は、得点を取ることだけではありません。相手の攻撃を遅らせる「バックチェック」や、味方がシュートを打つ際に相手ゴールキーパーの視界を遮る「スクリーン」など、泥臭い仕事も多く含まれています。
センター(CF):攻守に渡ってリンクを駆け回る司令塔
センターは、文字通りリンクの中央を主な主戦場とするポジションです。攻撃時にはパスを供給し、自らもゴールを狙いますが、守備時には自陣のゴール前まで戻ってディフェンスを助ける役割を担います。そのため、チーム内で最も高い運動量とスケーティング技術が求められます。
また、センターの重要な仕事の一つに「フェイスオフ」があります。審判が落としたパックをスティックで奪い合うこのプレーは、試合の再開時に必ず行われます。センターがフェイスオフで勝つことで、チームは最初から攻撃の主導権を握ることができるため、非常に責任の重い任務です。
戦況を読み、味方のウィングに指示を出しながらプレーを組み立てるセンターは、チームの心臓部とも言えます。派手なゴールシーンだけでなく、中盤での競り合いや守備への素早い戻りなど、センターの献身的な動きに注目すると、アイスホッケーの深さがより理解できるはずです。
ウィング(LW/RW):サイドを駆け上がり得点を狙うアタッカー
ウィングは、リンクの両サイド(ウィングエリア)を担当する選手たちです。主な役割は、センターやディフェンスから受けたパスを持ち込み、相手ゴールへシュートを放つことです。爆発的なスピードでサイドを突破するシーンは、アイスホッケー観戦の大きな見どころの一つです。
攻撃時、ウィングは「ボード(壁)」沿いでのパックの奪い合いにも積極的に参加します。壁際の競り合いは非常に激しく、相手のボディーチェックをかわしながらパックをキープし、ゴール前にいる味方へ精度の高いパスを送る技術が必要です。パワーとテクニックの両方が求められる役割です。
また、守備の局面では、相手のディフェンス選手がブルーライン付近から放つシュートをブロックしたり、パスコースを制限したりする動きをします。左右それぞれのウィングが、自分のサイドに責任を持って動くことで、チーム全体の守備網が完成します。高い得点能力を持つ選手が多く配置されるポジションでもあります。
現代アイスホッケーにおけるFWの分業化
最近のアイスホッケーでは、単に「センター」「ウィング」という区分けだけでなく、選手個々の特性に合わせた分業化が進んでいます。例えば、体が大きくゴール前で相手と競り合うことを得意とする「パワーフォワード」や、小柄ながら抜群のテクニックで相手を翻弄する「スナイパー」などが存在します。
さらに、守備能力が非常に高く、相手のエース選手を徹底的にマークして自由にさせない「チェッキングライン」と呼ばれるセットも存在します。彼らの役割は得点することよりも、相手の得点機会をゼロに抑えることです。こうした専門性の高い役割分担が、チームの勝利には欠かせません。
観戦する際は、選手たちがどのようなプレーを得意としているかを観察してみてください。「あの選手はいつもゴール前に張り付いているな」「この選手は守備の戻りがすごく速いな」といった発見があれば、ポジション名以上の具体的な役割が見えてきて、観戦がさらに面白くなるでしょう。
ディフェンス(DF)が試合で見せる重要な役割

ディフェンスは、華やかなゴールシーンの裏側で、チームのピンチを未然に防ぐプロフェッショナルです。彼らの動きを理解すると、アイスホッケーの守備戦術がいかに緻密であるかがわかります。ここでは、プレースタイルの異なるディフェンスの役割について解説します。
ステイアットホーム・ディフェンス:守備を最優先する堅実な役割
「ステイアットホーム」とは、文字通り「家に留まる」という意味で、攻撃に参加することよりも自陣の守備を固めることを最優先するプレースタイルを指します。彼らは無理な攻めを控え、常に相手フォワードとの距離を保ち、自陣ゴール前での決定的なピンチを防ぐことに集中します。
このタイプのディフェンスは、体が大きくパワーのある選手が多く、相手選手を壁に押し当てるフィジカルなプレーを得意とします。派手なプレーは少ないものの、確実なポジショニングと粘り強い守備で、チームに安心感を与えます。守備の専門職とも言える非常に渋い役割です。
また、相手の強力なシュートに対して、自らの体を投げ出してブロックする「ショットブロック」も彼らの見せ場です。痛みを恐れずに体を張る姿は、チームメイトの士気を高め、観客の胸を打ちます。地味ながらも勝利のためには絶対に欠かせない存在です。
オフェンシブ・ディフェンス:攻撃にも積極的に参加するスタイル
ステイアットホームとは対照的に、高い攻撃センスを持ち、積極的に得点に関わっていくのが「オフェンシブ・ディフェンス」です。彼らはパックを運ぶスピードがあり、攻撃の組み立てに参加するだけでなく、隙があれば自ら相手ゴール前まで攻め上がります。
特にパワープレー(相手が反則で少ない状態)では、ブルーライン付近から「ポイントシュート」と呼ばれる強力なシュートを放ち、得点の起点となります。また、広い視野を活かして、フォワードの得点をアシストする正確なパスを通す能力にも長けています。
現代のアイスホッケーでは、守備だけをしていれば勝てる時代ではなくなっており、こうした攻撃力の高いディフェンスの価値が非常に高まっています。守備のリスクを管理しつつ、いかに攻撃に厚みを持たせるか。そのバランス感覚が問われる、高度なテクニックを要する役割です。
相手の攻撃を封じる「ボディチェック」と「ポジショニング」
ディフェンスの最大の武器は、相手の自由を奪う「ポジショニング」です。単に追いかけるのではなく、相手が行きたい場所を先読みして塞ぎ、リンクの端へと追いやります。この予測能力こそが、一流のディフェンス選手に共通する特徴です。
そして、アイスホッケーの代名詞とも言える「ボディチェック」も重要な守備技術です。肩や腰を使って相手選手に体当たりし、パックを引き離します。ただし、これは単に力任せに行うのではなく、ルールに基づいた正しいタイミングと場所で行う必要があります。一歩間違えれば反則になるため、高い技術と冷静な判断が求められます。
観戦中にディフェンスを見る際は、彼らが相手のフォワードとどのような距離感を保っているかに注目してください。「ギャップ・コントロール」と呼ばれるこの技術が優れているディフェンスがいれば、相手チームはなかなかシュートまで持ち込むことができなくなります。
ゴールテンダー(GK)の特殊な役割と装備

ゴールテンダーは、チームで唯一、他の選手とは異なる形状の防具を身につけることが許されているポジションです。その外見からもわかる通り、彼らの役割は非常に特殊であり、試合における存在感は圧倒的です。ここでは、ゴールテンダーの役割と、その驚くべきスキルについて解説します。
| 装備・スキルの名称 | 特徴と役割 |
|---|---|
| レガース | 足を守り、氷上に膝をついてゴール下部を塞ぐ。 |
| キャッチンググローブ | 野球のグローブのように、飛んできたパックを掴む。 |
| ブロッカー | 板状の防具で、パックを弾き飛ばしてゴールを防ぐ。 |
| バタフライ・スタイル | 両膝を内側に折って氷につけ、壁のようにゴールを守る現代の主流スタイル。 |
他の選手とは全く異なる防具と動き
ゴールテンダーが身につけている防具は、全身をパックの衝撃から守るために非常に分厚く設計されています。総重量は20キロ近くになることもありますが、彼らはその重さを感じさせない素早い動きでゴールを死守します。特に足元の「レガース」は大きく、横に倒れ込んでゴール下を完全に塞ぐために使われます。
彼らの動きは「スケーティング」というよりも「ポジショニングの微調整」が中心です。パックの位置に合わせて常に自分の体をゴールの中央に置き、相手から見てゴールの隙間をできるだけ小さく見せるように動きます。これを「アングル(角度)を詰める」と呼びます。
また、飛んできたパックをただ止めるだけでなく、キャッチしてプレーを止める(ホイッスルを鳴らさせる)か、あるいは味方が拾いやすい安全な場所へ弾き返すか、瞬時に判断しなければなりません。全身のあらゆる部分を使ってゴールを守るその姿は、まさに芸術的と言えるでしょう。
ゴールを守るだけではない、味方へのコーチング
ゴールテンダーは、常にリンク全体を自分の方に向かって見渡せる唯一の選手です。そのため、味方のディフェンスに対して「右から来ているぞ!」「あそこにパスコースがある!」といった具体的な指示を出す、フィールド上のコーチのような役割も果たしています。
激しいプレーの中で、後ろから聞こえるゴールテンダーの声は、ディフェンス選手にとって非常に頼りになる指針です。相手の動きを最も冷静に把握しているからこそ、守備陣形を整えるための的確なアドバイスが可能になります。
また、パワープレー時などには、パックをゴール裏で止めて味方に渡したり、時には直接前線のフォワードへロングパスを送ったりすることもあります。守備だけでなく、攻撃の第一歩を創り出す役割も担っているのが現代のゴールテンダーです。
試合の流れを変える「ビッグセーブ」の重要性
アイスホッケーにおいて、ゴールテンダーによる「ビッグセーブ(決定的なシュートを防ぐこと)」は、単なる1失点防止以上の意味を持ちます。誰もが入ったと思ったシュートをゴールテンダーが驚異的な反応で防いだとき、チーム全体に勇気を与え、逆に相手チームには大きな絶望感を与えます。
こうした一つのプレーがきっかけで試合の主導権が入れ替わることがよくあります。ゴールテンダーが好調なチームは、ディフェンスも安心して積極的に動くことができるため、チーム全体のプレーの質が向上します。まさに、チームの浮沈を握る最も重要な役割です。
観戦中は、ゴールテンダーの動きをじっくり観察してみてください。シュートが打たれる直前の集中した構えや、至近距離でのシュートに対する反射神経、そしてピンチを救った後の誇らしげな姿。彼らのパフォーマンスに注目することで、アイスホッケーの緊張感は最高潮に達します。
戦況に応じて変化するポジションの役割とフォーメーション

アイスホッケーでは、反則によって一時的に人数が減る場面が頻繁に発生します。そうなると、各ポジションの役割や立ち位置も大きく変化します。戦況に合わせた柔軟なフォーメーションの理解は、観戦をより深いものにしてくれます。
通常は5対5でプレーしますが、反則があると4対5(パワープレー・ペナルティーキル)になります。この特殊な状況下では、各選手の役割がより明確に分担されます。
パワープレー(数的優位)時の攻撃フォーメーション
相手チームに反則が出て、自チームの人数が多い状態を「パワープレー」と呼びます。この時、攻撃側は5人の選手が連携して相手陣内に居座り、じっくりとパスを回してシュートチャンスを伺います。ディフェンスの選手も高い位置まで上がり、攻撃の厚みを加えます。
代表的な形としては、1人のディフェンスがブルーライン中央でパスを捌き、他の4人がボックス型やダイヤモンド型に配置されるフォーメーションがあります。ここでは正確なパス回しと、ゴール前で相手ゴールキーパーの視界を遮る「スクリーン」の役割が非常に重要になります。
パワープレーは得点の最大のチャンスであり、チームそれぞれの練習してきた戦術が最も色濃く出る場面です。どのようにパスを繋いで相手の守備を崩し、誰がフィニッシャー(得点者)になるのか。その流れるような展開は、アイスホッケーの醍醐味の一つです。
ペナルティーキル(数的不利)時の守備陣形
逆に、自チームが反則で少なくなった状態を「ペナルティーキル(ショートハンデッド)」と呼びます。この時の4人の守備選手は、無理にパックを奪いに行くのではなく、自分たちのゴール前を固めることを最優先します。
基本的には4人が四角形(ボックス)の形を作り、相手のパスコースを限定しながらシュートを打たせないように耐え忍びます。ここではフォワードの選手であっても守備に徹し、体を張ってシュートブロックをする献身的な姿勢が求められます。この数分間を無失点で切り抜けることができれば、チームの勢いは一気に加速します。
ペナルティーキルが得意な選手は「キラー」と呼ばれ、その守備能力とガッツが高く評価されます。華やかな攻撃の影で、必死に守り抜く彼らの役割を知ることで、試合のドラマ性をより感じることができるはずです。
試合終盤に見られる「6人攻撃(エンプティネット)」の戦略
試合終盤で負けているチームが、ゴールテンダーをベンチに下げて、代わりに6人目の攻撃選手をリンクに送り出すことがあります。これを「エンプティネット(無人のゴール)」と呼びます。ゴールをガラ空きにするリスクを負ってでも、1点をもぎ取りに行く捨て身の戦術です。
この状況では、攻撃側は6対5の圧倒的有利な状況を作れますが、一度パックを奪われて自陣へシュートを打たれれば、ほぼ確実に失点してしまいます。まさに、負けが許されない場面での最終手段です。観客にとっても、最もハラハラドキドキする時間帯となります。
守る側は、奪ったパックを遠くの無人ゴールへ向けてロングシュートを放とうとし、攻める側は死に物狂いでパックをキープします。この究極の攻防戦における各選手の役割は、ただ一つ「点を入れるか、入れさせないか」という極限の状態に集約されます。
アイスホッケーのポジションと役割を知って観戦を10倍楽しむコツ

各ポジションの役割を理解したところで、実際に試合を観戦する際により楽しめるポイントをいくつかご紹介します。視点を少し変えるだけで、今まで見逃していたプレーの凄さに気づくことができるようになります。
観戦を楽しむための3つのチェックポイント
1. お気に入りの「役割」を見つけて、その選手の動きを追いかけてみる。
2. 各セット(ライン)ごとの戦い方の違いに注目する。
3. スケーティングの音や体のぶつかり合いを体感する。
お気に入りの選手や特定の役割に注目してみる
初めての観戦では、どうしてもパックの動きだけを追ってしまいがちです。しかし、一度パックから目を離して、特定のポジションの選手だけを追いかけてみてください。例えば、ディフェンスの選手が相手フォワードをどう抑えているか、あるいはセンターがどれだけ広い範囲を走っているかを確認するのです。
そうすることで、テレビ中継のカメラには映りにくい「オフ・ザ・パック(パックを持っていない時)」の動きの重要性がわかってきます。得点が入る数秒前に、誰がどのような準備をしていたのかを知ることで、アイスホッケーが非常に知的なスポーツであることに気づくでしょう。
特定の役割をこなす職人気質の選手を見つけるのも楽しみの一つです。激しい当たりに負けないパワーフォワードや、鉄壁の守りを見せるディフェンスなど、自分の好みのスタイルを見つけると、観戦がさらに個人的で熱いものになります。
スケーティングの速さと激しいコンタクトに注目
アイスホッケーのポジションに関わらず、すべての選手に共通しているのが驚異的なスケーティング技術です。氷の上で急停止したり、瞬時にバック走に切り替えたりする足捌きは、他のスポーツにはない美しさがあります。ポジションごとに求められるスケーティングの質の違いを見るのも面白いです。
フォワードの爆発的な加速、ディフェンスの滑らかなバック走、ゴールテンダーの細かな横移動。これらを可能にしているのは、強靭な下半身の筋力とバランス感覚です。リンクの間近で観戦できる場合は、氷を削るエッジの音にも耳を澄ませてみてください。その迫力に圧倒されるはずです。
また、役割を遂行するために行われる激しいボディチェックも、ルールを理解して見れば非常にクリーンな「技術」であることがわかります。正当なコンタクトによってパックを奪う瞬間は、アイスホッケーならではの快感と言えます。
セット(ライン)ごとの個性を楽しむ
アイスホッケーは、3人のフォワードと2人のディフェンスが1つの「セット」として動き、それが複数入れ替わります。第1セットにはチームで最も得点能力の高いエースたちが揃い、第3・第4セットには守備が得意なベテランや若手が配置されることが多いです。
セットが変わるごとに、チームの戦い方が微妙に変化する様子も観察してみてください。第1セットが華麗なパス回しで攻め立てるのに対し、第4セットは泥臭くパックを追い回して相手を疲れさせるなど、それぞれのセットに与えられた役割があります。
この「セットごとの役割」を意識すると、試合全体の流れが読みやすくなります。どのセットが出ている時に得点が動くのか、どのセットが相手のエースを抑え込んでいるのか。チーム全体の総合力で戦うアイスホッケーの醍醐味を、ぜひ肌で感じてみてください。
まとめ:アイスホッケーのポジションと役割を理解して冬季スポーツを満喫しよう
アイスホッケーのポジションと役割をわかりやすく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。最初は複雑に感じるかもしれませんが、基本は「攻めのフォワード」「守りのディフェンス」「最後の砦のゴールテンダー」という構成です。これに加えて、それぞれのポジション内での細かな役割分担があることを知れば、試合の見え方は劇的に変わります。
フォワードがスピードで翻弄し、ディフェンスが鉄壁の守りを見せ、ゴールテンダーが驚異的なセーブでチームを救う。それぞれのポジションが自らの役割を全うし、さらに戦況に応じてフォーメーションを変えながら戦う姿は、まさに究極のチームスポーツと言えるでしょう。各選手の個性や献身的なプレーに注目することで、冬季スポーツの魅力がさらに深く伝わるはずです。
今度アイスホッケーを観戦する際は、ぜひ特定のポジションの動きを追いかけてみてください。パックを追いかけるだけでは見えてこなかった、選手たちの熱い駆け引きや戦略的なプレーが、あなたをアイスホッケーの虜にすることでしょう。この記事が、あなたの冬季スポーツ観戦をより豊かで楽しいものにするきっかけになれば幸いです。



