ショートトラックは、氷上の格闘技とも呼ばれるほど激しい順位争いが魅力の競技です。選手たちが驚異的な角度で体を傾けながら、ハイスピードでコーナーを駆け抜ける姿に目を奪われる方も多いでしょう。実は、あの異次元のコーナリングを支えているのは、スケート靴の底に取り付けられたブレードの特殊なセッティングにあります。
一般的なスケート靴とは異なり、ショートトラック用のブレードは中心から大きく外れた場所に固定されています。なぜあえて中心を外して、ショートトラックのブレード位置をずらす理由があるのでしょうか。この記事では、競技の特性や物理的な仕組みを交えながら、知られざる足元の秘密を分かりやすく解説します。観戦時の注目ポイントもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
ショートトラックでブレード位置をずらす理由とその仕組み

ショートトラックの靴を近くで見ると、多くの人が「あれ、刃が曲がってついている?」と不思議に思うはずです。実は、ブレードは靴の底の真ん中ではなく、意図的に左側に寄せて取り付けられています。この独特のセッティングこそが、ショートトラックという競技を成立させるための根幹を支えているのです。
左側にオフセットする基本的な理由
ショートトラックのブレードが左側にずらして配置されている最大の理由は、競技の特性にあります。ショートトラックは、1周111.12メートルのトラックを常に反時計回り(左回り)に滑り続けます。コースの大部分が急なカーブで構成されており、選手は常に左側に体を大きく傾けて滑る必要があるのです。
もしブレードが靴の真ん中についていると、体を深く傾けた際にスケート靴の側面(ブーツ本体)が氷に接触してしまいます。これを防ぐために、あらかじめブレードを左側に寄せておくことで、限界まで体を倒しても靴が氷に触れず、エッジを効かせたまま滑り続けることができるようになります。この工夫が、あの迫力あるコーナリングを可能にしています。
また、左側にオフセットすることで、重心をより内側(左側)に置くことが可能になります。これにより、高速でカーブに進入してもバランスを崩しにくくなり、安定した滑走を実現できるのです。道具の構造そのものが、常に左へ曲がり続けるための専用設計になっていると言えるでしょう。
コーナリング時の遠心力への対応
時速50キロメートルを超えるスピードで急カーブを曲がる際、選手には非常に強い遠心力が外側に向かって働きます。この外側へ放り出されそうになる力に対抗するため、選手は体を内側に深く倒し込みます。この時、ブレードの位置が左にずれていることで、効率よく氷を押し返す「支点」を最適な位置に確保できるのです。
ブレードが左にあることで、氷を捉えるエッジの角度をより鋭角に保つことができます。これにより、強い遠心力がかかってもエッジが氷をしっかりと噛み、横滑りを防いで推進力に変えることが可能になります。もしブレードが中央にあれば、ここまでの急角度で氷を捉えることは物理的に困難です。
さらに、左足と右足でブレードのずらし具合を微妙に変えることもあります。常に内側を滑る左足と、外側からクロスして踏み込む右足では、かかる力の方向が異なるためです。このように、目には見えにくいミリ単位の調整が、時速50キロの旋回を支える高度な技術として機能しています。
転倒を防ぐ「ブーツアウト」の回避
ショートトラックにおいて最も避けたい事態の一つが、靴の側面が氷に触れてしまう「ブーツアウト」という現象です。カーブで体を深く倒したとき、ブレードではなく靴の革の部分が氷に触れると、摩擦が急激に失われて一瞬で足が滑り、転倒してしまいます。この現象は高速走行中に起こるため、非常に危険です。
ブレードを左側にずらすセッティングは、このブーツアウトを物理的に防ぐための最も有効な手段です。ブレードを左の端ギリギリに寄せることで、靴の側面と氷との間に十分なスペースを確保できます。これにより、氷面と体が接触しそうなほどの深いバンク角(傾斜角)を取ることが可能になり、トップスピードを維持したまま最小半径でカーブを回れます。
最近のトップ選手たちは、手で氷を触りながら滑るほどの深い角度を維持します。これを支えるためには、極限まで左に寄せたブレード位置が不可欠です。道具の進化が、競技のスピードアップとコーナリング技術の向上を相互に促進させてきた歴史があると言えるでしょう。
スピードスケートとショートトラックの道具の違い

同じ「スピードを競うスケート」でも、400メートルの長距離リンクで行うスピードスケートと、111メートルのショートトラックでは道具の設計思想が根本から異なります。特にブレードの固定方法や位置調整の自由度には、競技の面白さを左右する大きな違いが隠されています。
【主な道具の違い】
・ショートトラック:ブレードが靴に固定されており、位置を左右に細かく調整できる。左側にオフセットされているのが特徴。
・スピードスケート:かかと側が外れる「スラップスケート」を採用。ブレードは基本的に靴のセンターライン付近に配置される。
直線重視のスピードスケートとの構造差
スピードスケート(ロングトラック)は、1周400メートルの広大なリンクを使用し、長い直線をいかに効率よく滑るかが重要視されます。そのため、ブレードは蹴り出しの力を最大限に伝えるために、基本的には足の親指と人差し指の間付近のセンターライン上に配置されます。直線での安定性と爆発的な推進力を生むための構造です。
一方、ショートトラックは「いかにカーブを速く回るか」に特化した構造です。スピードスケートのような「かかとが離れる仕組み(スラップ機構)」は採用されていません。これは、ショートトラックでは氷を蹴る力よりも、カーブでの繊細なエッジ操作や激しい順位争いでの安定性が求められるため、ブレードを靴にガッチリと固定する必要があるからです。
また、ショートトラック用の靴は、激しい横G(重力加速度)に耐えられるよう、スピードスケート用よりも足首周りの剛性が非常に高く作られています。この硬い靴に、左へずらしたブレードを組み合わせることで、極限のコーナリングを可能にする「旋回専用マシン」としての性能が完成するのです。
リンクのサイズとカーブのきつさ
道具の違いを生んでいる最大の要因は、リンクのサイズ差です。スピードスケートのカーブの半径は約25メートルから30メートルありますが、ショートトラックのカーブ半径はわずか8メートルほどしかありません。この「急すぎるカーブ」を曲がるためには、通常のスケートの設計では対応しきれないのです。
ショートトラックのリンクは、国際規格のホッケーリンクと同じサイズに作られます。限られたスペースの中で高いスピードを維持するためには、急旋回中に体にかかる強烈な力を逃がさず、逆に利用する必要があります。ブレードの位置をずらすという工夫は、この狭いリンクを攻略するための進化の過程で生まれた知恵です。
もしスピードスケートの靴でショートトラックを滑ろうとすると、カーブが急すぎてエッジが外れたり、ブーツアウトしたりして、まともに曲がることすら難しいでしょう。競技が行われる「舞台」の違いが、これほどまでに道具の形状やセッティングの差となって現れているのは非常に興味深いポイントです。
ブレード自体の長さと形状の工夫
ブレードの位置だけでなく、刃そのものの形状にも違いがあります。ショートトラック用のブレードは、スピードスケート用と比較してやや短く、厚みがあるのが一般的です。これは、狭いリンクでの小回りを利かせやすくし、かつ激しい接触や急な方向転換でも折れたり歪んだりしない耐久性を持たせるためです。
また、ショートトラックのブレードは、あらかじめ「左側に緩やかに曲げられている」ことがあります。これは専門用語で「ベント」と呼ばれます。ブレードが最初から曲がっていることで、左回りのカーブを自然に描けるようになっているのです。位置をずらすだけでなく、刃自体を曲げるという二重の工夫がなされています。
さらに、ブレードの高さも重要です。ショートトラック用は、靴の側面が氷に触れないよう、あえて高めに設計されています。このように、長さ、厚み、曲がり、高さ、そして取り付け位置のすべてが、過酷なコーナリングを成功させるために緻密に計算されているのです。
選手一人ひとりに合わせた繊細なブレード調整

ショートトラックの選手にとって、ブレードの調整は「命」とも言える重要な作業です。市販の状態のまま使う選手はまずおらず、自分の体格や滑りの癖に合わせて、ミリ単位のカスタマイズを施します。このセッティングの正解は一つではなく、選手一人ひとりのこだわりが反映されています。
ショートトラックの選手は「道具職人」としての一面も持っており、遠征先でも専用の器具を使って自分で微調整を行うことが日常茶飯事です。
ミリ単位で調整する位置のこだわり
ブレードを左側にどれくらいずらすかは、選手によって数ミリ単位で異なります。わずか1ミリ位置が変わるだけで、氷からのフィードバックや体の支えやすさが劇的に変化します。選手は練習中に何度も位置を調整し、最も効率よくパワーが伝わり、かつ転倒しにくい絶妙なポイントを根気強く探し出します。
この調整は、単純に「一番左に寄せればいい」というわけではありません。左に寄せすぎると、直線で滑る際にバランスを取るのが難しくなったり、右足での蹴り出しが不安定になったりするリスクがあるからです。カーブでの圧倒的なスピードと、直線での安定感を高い次元で両立させるための「黄金比」を見極める能力が求められます。
また、ブレードの「前後」の位置調整も重要です。つま先側に寄せるか、かかと側に寄せるかによって、ターンのきっかけの作りやすさや、後半の伸びが変わってきます。これらの位置調整は、ネジ一本の締め具合やワッシャーの厚みでコントロールされるほど繊細な世界です。
選手の体格や筋力に合わせたセッティング
ブレードの位置は、選手の身長や体重、そして足の筋力にも大きく左右されます。例えば、身長が高く脚が長い選手は、重心が高くなるため、より安定感を求めたセッティングにする傾向があります。逆に小柄な選手は、機動力を生かすために、より攻撃的でクイックな反応が得られる位置を選ぶことがあります。
また、脚の筋力が非常に強い選手であれば、強烈なキック力を受け止めるためにブレードの位置をわずかに中央寄りに戻し、パワーロスを防ぐこともあります。逆にテクニック重視の選手は、より深い傾斜角を実現するために、極限まで左に寄せた位置を好む場合が多いようです。
滑りのスタイルも影響します。力強いパワフルな滑りをする選手と、しなやかなエッジワークを得意とする選手では、求めるセッティングが全く異なります。自分自身の体の特徴を深く理解し、それを最大限に引き出せるセッティングを見つけ出すことも、トップアスリートに欠かせない才能の一つと言えます。
氷の状態やリンクの硬さに応じた変更
興味深いことに、ブレードのセッティングは会場の氷の状態によっても変更されます。氷は温度や湿度、水質によって「硬さ」や「滑りやすさ」が刻一刻と変化します。硬い氷ではエッジが食い込みにくいため、より鋭い角度で氷を捉えられるセッティングが好まれる場合があります。
逆に氷が柔らかく、エッジが深く沈み込んでしまうようなコンディションでは、抵抗を減らすために微調整を行います。オリンピックなどの大きな大会では、公式練習の時間を使い、その会場独自の氷の「クセ」を把握します。それを見越してブレード位置を微修正する決断が、勝敗を分けることも少なくありません。
氷との対話を通じて、最適なブレードの位置を導き出すプロセスは、まさに職人技です。観客からは滑っている姿しか見えませんが、その背景には、氷の状態を足の裏で感じ取り、最適なセッティングを模索し続ける選手たちの飽くなき探究心が存在しています。
ブレードに施される「曲げ」と「揺り」の技術

ショートトラックのブレードを構成する要素は、左右の位置だけではありません。実は、ブレード自体に肉眼では分かりにくい特殊な加工が施されています。それが「ベント(曲げ)」と「ロッカー(揺り)」です。位置をずらす理由と深く関わる、この2つの高度な技術について見ていきましょう。
カーブを曲がりやすくする「ベント(曲げ)」
ショートトラックのブレードは、上から見ると左側に向かって弓なりに曲げられています。これを「ベント」と呼びます。常に左へ曲がるコースを滑るため、最初からブレード自体を曲げておくことで、無理な力を使わずにスムーズに旋回できるように設計されているのです。
この曲がり具合(R)も、選手の好みや戦略に合わせて細かく調整されます。きつく曲げれば、それだけ急なカーブを小回りしやすくなりますが、直線でのスピード維持が難しくなります。逆に緩やかにすれば、直線での伸びは良くなりますが、カーブで外側に膨らみやすくなるというトレードオフの関係にあります。
ブレードの位置を左にずらすことと、このベント加工を組み合わせることで、ショートトラック特有の「吸い付くようなコーナリング」が実現します。道具全体を「左に曲がるための特殊な形」に変容させることで、物理的な限界を超えたスピードでの旋回を可能にしているのです。
氷との接地面を調整する「ロッカー(揺り)」
もう一つの重要な加工が「ロッカー」です。これはブレードを横から見たとき、底面が平らではなく、わずかに円弧を描くように削ることを指します。木馬の脚のようにカーブを描いているため、氷に接している部分は実はほんの数センチしかありません。
このロッカーの曲がり具合(半径)を調整することで、スケート靴の旋回性能をコントロールします。円弧の半径を小さくすると、氷との接地面が短くなり、独楽(こま)のようにクルクルと素早く向きを変えることができます。反対に半径を大きくすると、接地面が長くなり、直進安定性が増して一歩一歩のパワーが氷に伝わりやすくなります。
ショートトラックでは、抜きつ抜かれつの激しいコース取りが行われるため、瞬時に進行方向を変える機敏さが必要です。そのため、スピードスケートに比べてロッカーの半径は小さめに設定されることが多いです。位置のずらし、ベント、そしてロッカー。これら3つの要素が複雑に絡み合い、一足のスケート靴の性能を決定づけています。
メンテナンスの重要性と研磨の技術
こうした高度な加工を施したブレードは、非常にデリケートです。レース中に他の選手と接触したり、氷の溝にはまったりするだけで、ミリ単位の形状が変わってしまうこともあります。そのため、選手たちはレースごとにブレードの歪みをチェックし、必要であれば「曲げ直し」などのメンテナンスを行います。
また、エッジ(刃の鋭さ)を研ぐ作業も欠かせません。ショートトラックのエッジは、ただ鋭ければ良いというものではなく、左右の角の立ち方まで厳密に管理されます。選手は専用の研ぎ台に靴を固定し、数種類の砥石を使い分けて、鏡のように滑らかな表面と鋭い角を作り上げていきます。
研磨の技術一つで、氷への食い込みやすさが変わり、それが最終的なタイムや順位に直結します。ブレードの位置をずらすという工夫を最大限に生かすためには、日々の徹底した手入れと、刃の形状をミリ単位で維持する職人魂が必要不可欠なのです。
競技観戦がもっと楽しくなるチェックポイント

ここまでショートトラックのブレードの秘密について詳しく見てきました。これらの知識を持って競技を観戦すると、今までとは違った視点で楽しむことができます。テレビ中継や会場での観戦時に、特に注目してほしいポイントを整理しました。
| 注目ポイント | チェックすべき理由 |
|---|---|
| カーブでの体の倒し込み | ブレード位置が左にあるからこそ可能な、限界ギリギリの角度に注目。 |
| コーナー入り口のエッジ音 | 氷を強く捉える「ザッ」という音が、エッジが効いている証拠。 |
| 選手によるフォームの違い | セッティングによって、腰の落とし方や足の出し方に個性が出る。 |
異次元の傾きを支える足元の技術に注目
最も分かりやすい見どころは、やはりカーブでの「傾き」です。トップ選手たちが、まるで氷の上に寝そべるかのような深い角度で曲がっていく様子は圧巻です。このとき、単に勇気があるから倒しているのではなく、「ブレードが左にずれているから、ここまで倒しても転ばないんだ」という背景を知っていると、より技術の凄さが分かります。
スロー映像などで足元がアップになった際は、ぜひ靴と氷の隙間を見てみてください。靴の側面が氷に触れそうなほど近いのに、しっかりとブレードのエッジが氷を掴んでいるのが確認できるはずです。あの角度を維持したまま、さらに加速していく脚力と、それを支える道具のセッティングの妙をぜひ感じ取ってください。
また、直線からカーブに入る瞬間の「切り替え」にも注目です。直線では比較的体を立てて滑っていますが、カーブに入った瞬間に一気に内側へ重心を移動させます。このとき、ずらしたブレードがしっかりと「支点」として機能し、選手が自信を持って体を預けている様子が見て取れるでしょう。
コーナーでの攻防とブレードの関係
ショートトラックの醍醐味である追い抜きシーンでも、ブレードの特性が活きています。内側を強引に突くとき、選手はさらに鋭い角度でカーブを回らなければなりません。この時、ブレード位置の調整が上手くいっている選手は、狭いスペースでもエッジが外れず、粘り強いコーナリングを見せます。
逆に、セッティングが合っていない選手や、ブレードが傷ついている選手は、カーブの出口で外側に膨らんでしまうことがあります。これを「エッジが抜ける」と言ったりしますが、こうしたアクシデントもブレードの状態と深く関わっています。抜きつ抜かれつの攻防の裏側には、エッジが氷を噛み続けているかどうかの緊張感があるのです。
特にレース終盤、疲労が溜まった状態でも正確なエッジ操作ができるかどうかは、セッティングの良し悪しに左右されます。自分が最も信頼できるブレード位置を見つけ出した選手こそが、混戦を制して勝利を掴むことができると言えるでしょう。
追い抜き時に見せるエッジワークの凄さ
トップ選手の中には、あえて一瞬エッジを外側に倒してフェイントを入れたり、独特の足さばきで相手を翻弄したりする選手もいます。これらはすべて、ミリ単位で調整されたブレード位置と、それを自在に操る卓越した感覚があるからこそ成せる技です。足首のわずかな動きが、氷を通じてダイレクトに推進力へと変わる様子は芸術的です。
また、右足を左足の前にクロスさせる「クロスオーバー」という動作にも注目です。このとき、右足のブレードが左側にずれていることで、より深い位置まで足を振り出し、力強く氷を捉えることができます。常に左へと旋回し続けるためのエネルギーを作り出す、リズミカルな足の運びをじっくり観察してみてください。
ショートトラックは、単なる脚力のぶつかり合いではありません。自分の体の一部となったスケート靴を、いかに精密に操作して氷の力を引き出すかという、知的な駆け引きも含まれています。足元のセッティングという視点を加えるだけで、観戦の深みは一気に増すはずです。
ショートトラックのブレード位置と調整のまとめ
ショートトラックでブレードの位置を左にずらす理由は、一言で言えば「急なカーブを最高速度で駆け抜けるため」です。左回りに特化した競技特性に合わせて、物理的な限界まで体を倒せるよう、あえて中心を外した専用のセッティングが施されています。この工夫により、ブーツが氷に触れる「ブーツアウト」を防ぎ、強烈な遠心力に耐えうるグリップ力を生み出しているのです。
また、単に左に寄せるだけでなく、選手ごとにミリ単位の微調整が行われ、さらにブレード自体の「曲げ(ベント)」や「削り(ロッカー)」といった高度な加工が組み合わされています。氷の状態や自身の体格に合わせて、日々繰り返される繊細なメンテナンスこそが、氷上の格闘技を支える技術の結晶と言えます。次にショートトラックを観戦する際は、ぜひ選手たちの足元に注目してみてください。異次元の傾きを可能にしている「ずらしたブレード」の存在が、競技の凄さをより一層伝えてくれるはずです。



